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六花
【手織り真綿紬織物】 伊那紬 別注品
秋霞の空のような灰色に胡粉色(漆喰のような白)薄墨色、柳染、煉瓦色に染められた絣糸で稜線と空が織り上げられた手織り真綿紬織物-真綿伊那紬。 控え目な色彩で横段が織り上げられています。 配されたのは山の稜線と秋霞の空が交差する色景。 伊那紬が見せるその表情はときに不均一なことがあります。 その不均一な織の表情はひとによってはとても曖昧なものとして目に映るのかもしれません。 そもそもひとの「手」は機械による精密/均一を超えるものではなく、曖昧なもの、なのです。(曖昧さをかばうのではありません。) 更に言えば手引きされた紬糸は均一な太さを保つ訳ではありません。でも、たとえ曖昧であったとしても、或いは均一ではなかったとしても、それらはこうした紬織物にとってむしろ重要な要素や味わいとなるのです。 決して量産されることの無い紬織物にとって均一や整然というファクターはとくに重要なものではなく、求められているものはあくまでもその紬織物が固有する質感であり、保つ表情なのです。
要するに…すべては掛けられた手の温もりや手の加減を好ましいと感じられるか否か、唯それだけのことなのです。 でも、いかが思われました? この色目、とても魅力的な「色」と思われませんか。 私見ばかりで恐縮ですが、この織物を単なる横段の織物ではなく、極めて魅力的な印象にしている理由の一つはこの「色」なのではないかと思います。 どう表現すれば良いのか分からない微妙な加減の保たれた色みです。 配された色、そのすべてに単なる色を表す文字以上の質感(色相)が籠められているのです。 色相が3度、彩度が48%、明度が58%の色、などのようなカラーコードでは表すことは出来ません。 日本の色、のような色見本の中に見つけられるような色ではないのです。 上に記した色、そのすべてがそのような色(記した様な)であって、その色そのものではないのです。 どうやら色みも良い意味で曖昧な加減が保たれている様です。
こんな事を書きますと身も蓋もないとお叱りを受けそうです。 でも、あえて何の説明にもなっていないとお断りした上で申し上げるのならば…。 「美しい布(色)は美しい(色)としかお伝えしようがない」と言うのが極めて端的な感想です。 ぼんやりと眺めていると知らず知らずの内に気が絹布の中に彷徨ってしまうのです。(ちょっと大袈裟さなと思われるかもしれませんが) 言わば、私自身が好む色を集めてきて美しい縞の織物としてポンと目の前に置かれてしまったかのような感じとでも言えばよいでしょうか。 まさにそんな感じです。 加えて申し上げるならば、紬織物が保つ特有のほっこりとした上質な質感が保たれたままに。 そしてこの質感こそが真綿紬織物固有とも言える極上の着心地を生み出してくれるのです。 稚拙な解説ではあったとしても、ここまでの解説の中のどこにも誇張はありません。 ぜひ、ご自身で味わってみてください。 私の言葉に確実に頷かれる筈。
商品番号 |
TS-OR-06 |
商品名 |
手織り真綿紬織物/伊那紬 |
品質 |
絹100% ※別注品 |
価格 |
¥365,400(表地のみ仕立て無し/税込) ¥407,400(単衣仕立/居敷当付き/税込) ¥419,400(袷仕立上げ/税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約3週間~25日戴いております。 単衣仕立てはお尋ねください。 |
巾/ 長さ |
39cm程(※約一尺二分程)/※13m程 (※約三丈四尺) |
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