わさわさと
揺るるや風の
麻畑
黒川悦子
ホトトギス
【越後上布】
十字蚊絣/百細工 小河正義 手織り
濃藍地
とても細かな十字蚊絣が織り上げられた越後上布です。 極めて細くい麻糸を用いて織り上げられたその表情はとても美しい…。 こちら、、、越後上布の機屋に依る苧麻織物、つまり高機に依る麻織物です。 もっと言えば、重要無形文化財指定の越後上布を制織する機屋の苧麻織物。 あえて申し上げるまでもなく、苧麻織物としてのその出来栄えは秀逸そのもの。 画像でもご覧頂けますように極めて見事なものなのです。
そっと手に取って眺めてみる。 ただ、流れ作業の中で織られた織物と言う感じは無論ない。 手織特有の織感/質感が生地を通して伝わるように感じられます。 生地巾およそ一尺強の巾の中に織られた百五前後の十字蚊絣…。 細かさだけを競うものではないことはもちろんですが、一つの目安となることも確かです。 十字蚊絣、それは正統を極めた楚々とした印象なのかもしれません。 とりわけ深藍色の十字蚊絣はそうした印象を想わせるように思います。
単衣から盛夏の薄モノの一つの定番色でもある藍色、深藍色、濃藍色、いわゆる藍と言う色を身に纏うとき、人は凛とした清々しい空気感を一緒に纏ったような気持ちになると言います。 英語で言えばネイビーでしょうか。 いわゆるネイビーブルーのネイビーです。語源はイギリス海軍の制服の色から生まれたと言われています。(英国には王室のロイヤルブルーという色もありますね)また、有名な映画にも藍色にまつわる台詞は登場したりします。調べれば調べるほどネイビーと言う色を取り巻くエピソードは多くその神秘的な色相も相まって「藍」に惹かれる人は少なくありません。
日本でも顔料である紺青は文献によると江戸時代の末期にヨーロッパから輸入され、葛飾北斎や歌川広重を魅了したようです。 歴史的な背景はさておいても藍色は日本人にもとても馴染みが深く、特別な色、と認識しておられる方も多いようです。
… 深みのある藍色です。 透け感も適度に抑えられ、春の単衣~盛夏~秋の単衣、と長くお召し戴けますのも特徴の一つかと思います。 夏大島のように透け過ぎることのない印象は(もちろん印象だけでなく、実際にそうなのですが)使われた糸の細さによるもの、つまり細い糸をたくさん使う事によって透け感が抑えられているのです。 これは織物が実際に着物として仕立て上がり、お召し頂いた時に改めて頷いて頂けるかと思います。 必要以上に透け過ぎない、程よい透け感、要するに丁度いい透け具合、なのです。
こちら、、、例えば趣味的な染め帯で装われてもとても素敵だと思いますし、織感の美しい自然布、シナ布や葛布、八重山上布や芭蕉布の帯をお使いになられてももちろん素敵ですが、参考画像のように染め帯も適わせて頂きますと、やわらかな表情となってとても素敵ではないでしょうか。 この藍色の細かな十字蚊絣の織物は夏の装いにおいて様々な印象/表情をつくり上げることに極めて適した着物地だと思います。 藍と言えば藍ではあるのですが、明らかに藍そのものではない、、、特有の藍色。 盛夏のお出掛けを愉しみに変えることのできる着物、越後上布蚊絣… どうぞご検討下さいませ。
商品番号 |
ETJ-HRT-36 |
商品名 |
越後上布/十字蚊絣・小河正義 |
品質 |
経糸/苧麻の紡績糸
緯糸/苧麻の紡績糸 |
価格 |
¥465,000 (表地/税込) ¥505,000(単衣着物仕立上げ・居敷当付/税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約3週間~30日戴いております。 ※お急ぎの際はお訊ねください。 |
巾/ 長さ |
丈/3丈3尺程(およそ12.5m)
巾/1尺2分(およそ38.65cm) |
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