睡蓮の
朝日にポンと
弾かれし
斉藤静枝
あを
【型版染九寸名古屋帯】
―楽園・清明― 制作/岩本友子・国画会準会員 薇紬地
染織作品に限らないが、人の手で作られた(創られた)ものはさまざまな気配(エネルギー)に満ちている。 作品が発するあるものに耳を澄ませ、心を近づけると不思議なことに自分の内にあるもの、無意識の域に在る感受性が瑞々しく湧き起ってくるような気持ちになる。 例えばセオリー(Theory)セオリーとは単純に言えば「理論、学説、定石」、でも、それに従っているうちはこのように想像を形にすることは出来ない。 脳裏を染める色を一片の躊躇なく作品に映すことが出来なければ創造の枠の中にも入れない。 ひとひらの色彩で見る人を感動させることも出来ない。
原画の想像力、使われた彩色の妙、九寸という帯の幅に絶妙に表現されたバランス感覚、瑞々しい感性、面取りをしない潔さ、つまりそうした一つひとつの小さなこだわりが幾層にも積み重なって一つの秀でた印象となっている。 制作者の内なるすべてが絹布の上に表現されている。 染色作品を求める醍醐味は直接目に映る絵柄や色彩だけではない。 創造の背景に想いを巡らせ、制作者の想いに自身の想いを折り重ね装ってみる…、そんな愉しみもある。 釈迦に説法ですが、あえて申し上げれば…、こうした帯はお使いになる方の年齢を問いません。 こちらの作品をご覧いただいて、惹かれているかも、と思われる方は岩本友子さんの感性と溶け合う感性をお持ちなのだと思います。 もちろん私もそうなのです。
岩本友子さんが本作品について書かれています。 「清明は二十四節気の中の春分の次に迎える節気ですが、『清浄明潔』草木が生き生きとして美しい、という意味でとらえました。蓮や睡蓮をモチーフにしてますが、春、夏、という単純な季節感でなく、水の中の彼らの楽園の生き生きとした生命を描きました。」
技法は版染め、ブロックプリントです。 いわゆる手彫りの版を使い、布に染料を押し染めていくプリント技法。 カラフルで複雑な柄になるほど幾重にも押し染めを重ねていくため、にじませたり、にじまないようにしたり、どこで留めるか、もう一色重ねるのか、その工程は無論、創意も果てがない。 それだけに工業プリントでは到底表現出来ないハンドメイドならではの優しい風合いが魅力です。 岩本友子さんご本人が好きとおっしゃる、パウル・クレー、エリック・カールにもどこかイメージが重なります。 若い頃には特別気に留めなかった自然の造る造形美に、十分に(笑)大人になった今、心惹かれます。
商品番号 |
GMK-OE-72 |
商品名 |
型版染九寸名古屋帯/岩本友子作品「楽園・清明」 |
品質 |
薇紬地 |
価格 |
¥260,000 (帯地のみ仕立て無し/税込) ¥271,500 (芯仕立て上げ/税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約2週間~20日戴いております。 |
巾/ 長さ |
※お仕立て上がりの際のサイズは帯巾・八寸程。/ 長さは九尺八寸程。多少の変更は出来ますのでお尋ねくださいませ。 |
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