【能登上布】
石川県指定無形文化財
無地織/ラベンダー色を微かに感じる淡い灰色
手織り
制作山崎仁一
着用時季・単衣～夏


細艶かな麻糸で織り上げられた能登上布です。　ラベンダー色を微かに感じる淡い灰色、ラベンダーまでいかない、灰色ほど冷たくはない、色名に記しましたように灰色にほんのわずかにラベンダーを感じるお色目です。日本の伝統色和色大辞典の薄梅鼠 うすうめねずを参照していただきますと一つの目安となるかと思います。　　

越後上布や宮古上布が良いことは知っている、でも、ちょっと手が届きづらい…、 でもやはり「縮み」ではなくどうしても「上布」が欲しい…と、思われている方にお奨めなのが能登上布。　能登上布は昨今では春のお単衣のお終いから～盛夏～秋のお単衣の掛かり、と長くお召し頂けますこともよろしいのではないでしょうか。　上品で穏やかな透け感は上布は初めて、もっと言えば夏物が初めて、という方でも安心してお召し頂ける麻織物。


お単衣から盛夏の薄モノの一つの定番でもある小千谷縮、そして能登上布、カジュアルの頂点のような小千谷縮に比較しますと、帯次第でうんと余所行きなニュアンスとなります。参考コーデのようなジャワ更紗、芭蕉布、榀布の帯、あるいは麻の染め帯まで様々なコーデをお愉しみいただけます。 上品羅に代表される織感の美しい羅織や絽綴れの帯をお使いになられてもとても素敵ではないでしょうか。　上布と呼ばれる織物は夏の装いにおいて様々な印象/表情をつくり上げることに極めて適した着物地だと思います。　また、お色目も単純な薄紫や藤色ではなく“薄梅鼠 うすうめねず”というところがとても素敵です。　



※お召し頂ける季節は…、と言えば７月～８月と言うことになろうかと思いますが、最近ではもう少し早め、６月初旬～９月の半ば辺りまで。　梅雨季～お召し頂いているようです。　麻のお着物は見る者はもちろんのこと、お召しになられる方も視界に入るお色から涼感が感じられると思います。