この坂を
越えれば未来
空澄めり
大塚まや
京鹿子
【型絵染九寸名古屋帯】
―空に奏でる―
制作/国画会会員岡本紘子
「空に奏でる」と銘された型絵染九寸名古屋帯。 作者の国画会会員/岡本紘子さんはこれまで国展に幾度も入選するほどの腕前、経歴等につきましてはこれまで何度も記して参りましたのでこちらでは割愛させて頂きます。
さて、「空に奏でる」と銘された作品です。
一目で可愛く目を引くのですが、可愛いと言っても幼さを想わせるものではありません。 やわらかな紬地に花や木の実、蝶々などが描かれています。 花や木の実は何が描かれているのでしょうか。 知識の乏しい私にはよくわかりません。 蝶々はモンシロチョウでしょうか。 でも、どうやら花や蝶の種類はあまり重要ではないようです。
陽光を浴び、心の赴くままにペンを走らせたであろう下絵が想像出来ます。 作者である岡本紘子さんは次々に目に映りくる花々を現実にその目に写すかのようにデッサンしていったのだろう。 まるで空想の空間に羽を伸ばし、想像の空から眺めたりしてを描いたかのよう。 岡本紘子さんには夢の世界に自由に行き来出来る翼があるのかもしれない。 あたかもそれは岡本紘子さんが想像の地図を開き、空想の旅をしているかのような自由を想わせる。
作品はもちろん写実的に描かれたものではありません。 言うなれば夢想派の絵画、とでも言えばよりその印象に適うのか。 岡本紘子さんの目が捉えた花、イメージとして浮かび上がる花や蝶を夢想派の絵画のようにデッサンしたのかもしれません。
作者がどのような光景を想っているのか、想像する他手立てはありません。 でも、この作品を眺めていると岡本紘子さんがイメージしたものをそこはかとなく感じることが出来ます。 古典的な意匠や友禅を見慣れた目にはおよそ着物や帯の柄模様には見えないのかもしれない。 でも、この作品を手掛けた岡本紘子さんの目には帯そのもの、あくまでも帯として制作された意匠なのだと思います。 古典的な意匠や友禅であれば、着物を想い易いのかもしれません。 けれどもこの作者はそれとは異なるイメージで描き上げているのです。 岡本紘子さんの心象風景が描き上げた型絵染の花や蝶なのです。
さて、こうした作品を見て心が動く方は作者と同じ美意識をお持ちなのだと思います。 さらに言えば私の感性とも同じなのだと思います。 つまり美意識を共感/共振しているのです。 岡本紘子さんの目が美しいと捉え、震わせる感情で美の情景を切り取り作品とする。 そしてその美しさに共鳴して呉服商である私が仕入れという名称で購入する。 そしていつか同じ感性の方の手に収まる。 美しさは時を経ても共鳴し続けているのです。
では、どのようなお着物に合わせて頂けるのか…なのですが、こうした帯にセオリーはありません。 お使いになられる方の好みを最優先して頂けば良いのだと思います。 あえて申し上げれば、無地感覚/縞・格子の紬織物、印象的な木綿織物に適わせて頂きますと殊の外楽しいのではないでしょうか。 …想うだけで脳がゆらゆら揺れてしまうようです。
商品番号 |
NGT-SRS-26 |
商品名 |
型絵染九寸名古屋帯/国画会 岡本紘子/空に奏でる |
品質 |
絹100% |
価格 |
¥352,000 (帯地のみ仕立て無し/税込) ¥363,500 (芯仕立て上げ税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約2週間~20日戴いております。 |
巾/ 長さ |
※お仕立て上がりの際のサイズは帯巾・八寸二分程。/ 長さは九尺八寸程。多少の変更は出来ますのでお尋ねくださいませ。 |
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