日を重く
受けて閑かや
黒牡丹
村田明子
円虹
【白たか織】
―綾織り― 高機手織 着用時季・袷、または単衣の盛夏以外
ただ一色の彩りだけで表現される墨黒色の着物。 地紋だけ、一色の染色だけで表現された墨黒色…。 伝統的な大和色だけでもその色数は500色にも及びます。 中でも墨~墨黒~黒は微妙な濃淡を数えればその色数はまさに無限に在ると言っても過言ではありません。 改めて思うのは墨黒色の美しさ。 漆黒とはニュアンスが少々異なります。 艶を想わせる漆黒よりも微かにマットな印象(もちろん光の条件下では光沢もございます。)を持つ墨黒色…。 では墨黒色の美しさとは何なのか? 光沢を抑えた美しさ、強く目に映る黒よりもやわらかく、色そのものが主張し過ぎない。 ただ華やかな彩りが美しい訳ではありません。 雅やかな印象だけが美しいのでもありません。 美しさには控え目で染み入るような美しさ、そう墨黒色のようなしっとりとした美しさも在るのです。
こちらに掲載させて頂きました白たか織りは墨黒色に染めた糸を綾織りに織り上げたものでいわゆる平織などとはずいぶん印象が異なります。 円を描くように織り上げられた綾織りは見る角度や見方によっては細かな市松のようにも見えますし、円を繫いでいるようにも見えます。 また、染料をしっとりと湛えこむその糸質は極めて上質で時間の経過とともにゆっくりと色の深みを増していくのです。 ここで言う深みを増すとは色そのものが濃くなるという意ではありません。 墨黒という一見無機質とも思える色彩、その彩りに奥行きが出るのです。 加えて申し上げるなら、お使いになる人、つまりはオーナーなのですが、オーナーと共に経年する生地そのものの深み(艶)が増してゆく、お伝えしたいことはそんなニュアンス。
もちろん物理的に奥行きなどが存在する訳はありません。 でも、可笑しな表現と笑われたとしてもこの織物を眺めていると墨色と言う単彩色のなかに色の深み/奥行きを感じてしまうのです。 それは巧みな織の技術と上質な糸質による魔法なのです。 形式的にこの着物地を表せば墨黒色に織り上げられた単なる綾織りの織物なのかもしれません。 つまり、“綾織りの白たか織、墨黒色”… ただそれだけです。 “丁寧な綾織りによって織り上げられた白たか織”… それだけの表現で解説は足りてしまうのかもしれません。 でも、この白たか織から放たれる美しさはそうした無味乾燥な言葉では決して言い表すことの適わない深淵でリアルな美しさなのです。 お手元のモニターによっては単なる黒色に映ってしまうかもしれません。 見る角度によっては様々に表情を変える墨黒色です。 手を触れるのさえ忍ばれるようなしっとりと美しい墨黒色。 でも、手を伸ばして触れてみたくなる色、生地の表情…。 極めて美しい染織が施された絹織物なのです。
織の帯、染めの帯、手描き友禅でも型絵染でも、さまざまにお愉しみ頂けると思います。 至極の一枚となるかと思います。 お試しくださいませ。
商品番号 |
OTI-STS-0677 |
商品名 |
高機草木紬/白鷹織 白たか織 綾織り |
品質 |
絹100% |
価格 |
¥235,000(表地のみ仕立て無し/税込) ¥277,000(単衣仕立/居敷当付き/税込) ¥289,000(袷仕立上げ/胴裏・八掛/税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約3週間~25日戴いております。 【※単衣仕立てをご希望の際はお尋ねください。】 |
巾/ 長さ |
39cm程(※約一尺二分程)/※13m程 (※約三丈五尺程)多少の誤差はご容赦ください。 |
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