近道は
なくてもよろし
枇杷の花
松本きみ枝
遠嶺
【手紡木綿八名古屋帯】 ―水底から―
制作/陽山めぐみ
経糸/藍(青戸)藍生葉・石榴
緯糸/藍(青戸)藍生葉・五倍子・桜
経糸/インド手紡木綿
緯糸/奈良手紡木綿・インド手紡木綿
美しさ零れる染織作品を見る度にいつも思う。 染織家はどこまでその創作における情熱をこれほどまでに深いものとすることが出来るのだろう、と。 ひとつの「個」である筈の染織家の「想い」が、「全」なる自然を引き寄せ、その生命や息吹までをも引き寄せ、その様々な大地の恵みをその「手」に引き寄せ、染織家自身の心の深みへと導き、新しい生命なる「命ある布」を生み出す、それは深い想いに導かれた“未知なる染織”の創造。 制作者の脳裏に深く深く映し込まれた想いが直接には目に映らないニュアンスとなってこうして映し出される。 それは一言で言い表すことのできないニュアンス。
綿から糸を紡ぎ、絣を括り、藍や石榴、桜などの自然の植物から採取した染料で何度も色を染め重ね、自然からの贈り物を慈しみ、丁寧に織り上げられた木綿の八寸名古屋帯。 洗練され、垢抜けた表情はインドの手紡木綿と奈良の手紡木綿の交差から生まれます。 平織が多い木綿の中で四枚綜絖の綾織で織り上げられていることも美しさに拍車を掛けています。
作品の制作者である陽山めぐみさんは、奈良の手紡、インドの原産の手紡の「綿」に拘り、「手紡ぎ」に拘り、「草木染め」に拘り、「織技法」に拘り、綾織八寸名古屋帯を織り上げました。 藍(青戸)藍生葉、石榴、五倍子、桜、によって染められたその色は桃尾の滝のように清らかで、吉野山の桜のような素朴さも感じます。 生まれたばかりの藍の葉の生命は水色みを内包した柔らかな青となり、見るひとの目に優しく馴染み、つくり出されたその藍は清流のようでもあり、微かに浮かぶ一筋の緯糸は桜の気配や陽の光りの様を想わせてくれます。
【陽山めぐみ】
1964年 大阪市出身地
1987年 出雲織 青戸柚美江氏師事
1989年 土佐手縞 福永世紀子氏師事
1992年 第66回国画会新人賞
(大阪民藝館所蔵)
第17回全日本新人染織展京都市長賞
1994年 日本民藝館展奨励賞
(富山民藝館所蔵)
第19回全日本新人染織展大賞
2014年 日本民藝館展奨励賞
(豊田市民藝館所蔵)
2018年 第92回国展国画賞
(日本伝承染織振興会所蔵)
2021年 国画会準会員推挙
※地機、高機の結城紬、大島紬、久留米絣、黄八丈、三才山紬、下井紬、久留米絣、等々など趣溢れる紬織物に適わせますと本当に素敵だと思います。
商品番号 |
OTK-FNS-18 |
商品名 |
手紡木綿八寸名古屋帯/陽山めぐみ作 |
品質 |
綿100% |
価格 |
¥220,000(帯地のみ仕立て無し/税込) ¥231,500 (かがり仕立て上げ/税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約2週間~20日戴いております。 |
巾/ 長さ |
八寸/ 九尺八~九尺九寸程※お仕立て上がりの際のサイズ |
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