きもの専門店
そう謳うのは覚悟と精通が問われます
着物に関わり四十年と少し…
まだまだ学ぶことばかり…
きもの、って知れば知るほど知らないことばかりです

その多様さゆえに定義付けることの難しい更紗
古渡にはじまりペルシャ、フランス、イギリス、…
  バティックとして知られるジャワ更紗もありますが、日本の職人の手による和更紗の美は
やはり格別です
―唐草小花文―

暈したり、一層の斑も許さなかったり
澱みの様に堆積した手わざが意図して刷毛を捌く…
かのフィンセント・ウィレム・ファン・ゴッホさえ憬れた
日本の職人の筆捌き

染織作家の手から放たれた作品は
一つの花、一つの蝶、一つの鳥、に
生命が吹き込まれているのです 
添田敏子 ―白ぶどう―

もしかしたら
この小さなキモノ店は
アナタをドキドキさせることが
出来るかも知れません
どうぞ遊びにいらしてください 



風の詩

乗せて静かに

花筏


稲辺美津

夏椿


型絵染着物地/国画会-稲嶺杏子作品



■型絵染めの着物地

国画会/稲嶺杏子
作品銘/簾花文



こちらの着物地を描き染められた稲嶺杏子さん。 国画会に籍を置く染色作家です。 ご存知の方も多いかもしれませんが稲嶺杏子さんの出身は琉球沖縄です。  稲嶺さんに関していつも興味深く思うのは、生を受け育った地、沖縄の工藝である紅型友禅の制作者ではないという事。  琉球沖縄から東に千数百キロも離れた遥か遠い地、神奈川で独自の型絵染を制作されているのです。

面白いものです。 内地の人間が琉球染織に憬れて沖縄に移り住み、終の仕事とし、紅型に精を捧ぐ。 よくあるお話です。 でも、稲嶺さんは生を受けた沖縄からわざわざ離れ、紅型友禅の復興の礎を築いた芹沢?介に師事、紅型友禅の基礎を学ばれ、独自の型絵染の世界を構築されたのです。 いつかその辺りのお話を伺ってみたいものです。 そしてそんな背景からでしょうか。 作品にはどこかしら琉球染色の派生を感じられるのです。 


型絵染着物地/国画会-稲嶺杏子作品

型絵染着物地/国画会-稲嶺杏子作品

型絵染着物地/国画会-稲嶺杏子作品


それにしても素敵な着物です。 眺めていると心が揺さぶられ、解れてゆくのがわかります。 そうしているうちにいつしか稲嶺杏子さんの世界に惹き込まれてしまうのです。 表せば、特別なものが描かれている訳ではないのです。 花々と花簾…、水文が生成り地の上を覆うように藍色墨色藍色で描き染められている、、。 言わば唯それだけなのですが、ひと目で稲嶺さんの作品だと判るのです。 稲嶺さん独特の色使いと図案がそう思わせるのかもしれません。 
藍色と墨色、その二色だけで染め上げられています。 その藍色は南国琉球の空の強さでしょうか、それとも海の碧さでしょうか。 それとももしか…、稲嶺さんの記憶の隅にぼんやりと残された琉球沖縄の色なのかもしれません。 それはどこか紅型のようでもあり、よく見ていると紅型とはやはり違う。 やはり、稲嶺さんの記憶の中の沖縄なのだと思います。


藍色と墨色、一つ一つの模様を見ていると、それぞれが強い存在感をもって目に映り込んで来ます。 でも、一枚の着物として全体を見てみると、その存在感の一つ一つがそれぞれと調和を図り、或る一つの印象となって目に馴染んでくるのです。 それは稲嶺杏子さんの中になる琉球の記憶の断片が、一枚の絹布の上で染め紡がれると言ってもいいかもしれません。 こうした着物を身に纏う事は、即ち、稲嶺杏子さんという染織作家の感性の中に浸り、それを愉しむことなのです。 


作品はまるで稲嶺さんが内包する旋律そのままを染め上げたようで美しく、極めて魅力的と言う以外に適当な言葉が見付かりません。 稲嶺さんの繊細な内面を想わせるかのような色合いは、多彩な彩ながら、まるで魔法でも使って一瞬ですべての彩りを染め描き上げたかのような、天才的な配色の妙が感じられるのです。 そして不思議なのですが・・・ それは唯、眺めているだけの間は、心の用意も無く身に纏えば撥ね付けられてしまいそうな強さを感じるのだけれど、実際に袖を通してみると、その印象は着る者を優しく包み込む暖かさに変わるのです。 


型絵染着物地/国画会-稲嶺杏子作品


稲嶺さんが沖縄出身だと知っていて、それだから先入観としてそう思うだけかもしれないのですが、稲嶺さんが創り出す色は琉球沖縄と深いところで繋がっているのではないか・・・。 沖縄の自然や風土とどこか密接に、どこか懐かしい記憶と共に結びついているような気がするのです。 風の凪いだ海、雲が流れる空、花や鳥、記憶の奥にある荒ぶる自然の姿、包み込む自然の色、曖昧となった記憶はきっとこんな色で表せるのではないだろうか・・・
他の何物にも似ない意匠と、基調となる藍色と墨色、地色の生成りとの対比は、装う人に予期せぬ魅惑を与えてくれます。 もうすでにどれくらい時間が経ったでしょうか・・・、 かれこれ長い時間ずっと稲嶺さんの作品を眺めています。 勝手気まま、自由きままに想いを馳せながら、心を鷲掴みにされる染織/きものに翻弄されながら・・・。 


【商品情報】

商品番号
OTK-ODY-03355
商品名
型絵染着物地/国画会稲嶺杏子作品・簾花文
品質
本麻100%
価格
¥926,600(表地/税込)
¥973,100(単衣立上げ/居敷当て付/税込)
※一級和裁士による手縫い。
※お仕立てに要する日数はご注文確定後
約3週間~25日戴いております。
【※居敷当てご不要のの際はお尋ねください。】
巾/ 長さ
仮絵羽の為荒裁ち済/身長167cm程の身長の方迄お仕立て可能です。
[お仕立てをご希望のお客さまへ]
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型絵染着物地/国画会 稲嶺杏子作品 花簾

価格: ¥926,600 (税込)
[ポイント還元 9,266ポイント~]
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