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春耕
【手織り小千谷縮】 ―ハサギ―
「たくさん織ることは出来ない・・一反織り上げるまで時間は掛かる。」 小千谷縮/絣細工の職人は言う。 漏らした短い言葉の中には麻織物と対峙する厳しさが籠められていた。 本品は無地、縞、格子の小千谷縮とはまったく異なる絣細工の手織り小千谷縮。 撚糸」綛つくり」糸晒し」絣つくり」染色」機織り」湯もみ」最後は雪晒による仕上げ… 気の遠くなるような工程を詳細に記したところでこの織物の魅力が伝わる訳ではない。
手間暇の掛かる仕事です。 職人はそれを、「あたりまえだと思っている。」とはっきりと言う。 絹や木綿、など、着物素材において、麻は扱い易いモノでは決してなくとても手間隙が掛かる。 それなのに麻の縮が制作され続けているのは、雪深いという気候が麻に合っていたからということ、雪に閉ざされる地に暮らす職人の辛抱強い気質はもとより、小千谷の職人たちが、辛抱を重ねる中で麻の良さを繋いできたからにほかならない。 麻は乾燥に弱く、うまく織るには適度な湿気が必要とされる。 特に雪深いこの地は、乾燥を嫌い、湿気に強い麻織物に適した環境なのだと思う。
雪晴のまち小千谷、空気が澄み渡り、雪の表面が凍るようなきんと晴れた日、黎明の陽光とともに姿を見せるハサギ、タモ木やハンノキを植え、稲の乾燥に利用する新潟県特有のものと読んだ記憶があります。 新潟の風物詩としてのハサギ、そして稲、水田、越後小千谷の暮らしに欠かせないそれらは春を待つ小千谷の人々の心象風景でもあります。そんな情景を思い起こさせる夏のカジュアルの定番、手織小千谷縮です。 夏の暑さを想う反面、やはり夏の着物の透け感、その魅力は抗しがたいものがあります。 紺やグレーの濃い地の無地織、縞格子は持っているけれど、やはり綺麗色の小千谷、夏の着物を愉しみたい、と想われている方にお奨めです。
※お使いいただける季節は…、と言えば7月~8月と言うことになろうかと思いますが、最近ではもう少し早め、6月初旬~9月の掛かりまで。 梅雨季~はとりわけ重宝ているようです。 雪原のような白…、生成りではない、オフホワイトとも違う、…、見事に美しく、涼感を感じます。
参考に越後上布の八寸名古屋帯、藤田順さんの型絵染「波の向こうを見に行こう」※SOLDと適わせてみました。 愉しみ方実にいろいろ… それも着物地の持つ力なのかもしれません。
商品番号 |
OTK-ODY-45 |
商品名 |
別誂え小千谷縮/手織絣細工 |
品質 |
麻100% |
価格 |
¥177,000(表地のみ仕立て無し/税込) ¥219,500(単衣仕立・居敷当て付き/税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約3週間~25日戴いております。 【※居敷当ご不要の際はお尋ねください。】 |
巾/ 長さ |
1尺5分/広巾(※40cm程)・長さ/3丈3尺程(※12m50程) |
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