さはさはと
青芭蕉より
青き風
久本久美子
春燈
【手描き友禅/九名古屋帯】
―芭蕉葉― 紗紬地 制作/アトリエ品川
本品は半世紀近くに渡り、品川恭子さんの右腕となり共に創作をされてきた福村義親さんの作品です。 2020年9月、品川恭子さんが惜しまれつつ他界された後、宇治平等院を望む工房の跡を継がれ「アトリエ品川」として新たな一歩を踏み出されました。 品川恭子さん亡き後、暫し空白の月日が流れましたが、昨年よりこうして少しづつ作品を届けていただけるようになり、品川恭子さんの作品を取り扱って参りました者として感慨深いものがあります。
本品は品川恭子さんご活躍当時一番人気のありました芭蕉葉です。 福村義親さんに無理をお願いし、デザインを見つめ直して制作していただきました。 お色目は灰色みを帯びた薄茶です。 和名で記せば「朽葉色」にわずかに灰色を溶かしたようなお色目ですが、創りし色ですので色辞典に当てはまるものはありません。 長く楕円形の大きな葉は南国特有の強い風雨にさらされるうちに破れてしまう。芭蕉を秋の季語としたのは芭蕉の葉の終いが秋の風と相俟ってどこか愁いを誘うせいなのかもしれない。ちなみに芭蕉は中国が原産といわれてますが、英語名はジャパニーズバナナです。(※芭蕉布は、リュウキュウバショウの繊維(茎の表皮))
とても美しい作品です。 彩色を控えた完璧なバランスの美しさに惹かれます。 わざわざ言うまでもなく、丁寧が尽くされた友禅は、見る人の目も心も魅了します。 とりわけ染織美術に興味を持たれた事がなくても、です。 それらが持つ美しさは、着物であるとか帯であるとか、そうしたお話ではなく、美術工藝、染織工芸として見る人を魅了します。 雅やかでもない、艶やかでもない、、、どこか芯の在る美しさ… 芯の在る美しさとは、つまりそれが丁寧が尽くされた、と言い換えることも出来ます。 いまや、表面だけを整えるならプリントでいくらでも綺麗な染めを再現することは出来ます。 そうした時代です。 でも、本物の水墨画と、それを印刷したポスターの質感がまったく異なるように、、、プリントと手描きで描き染められた友禅とは本質の部分でまったく異なるものなのです。
※こちらの帯は、単衣や絽の色無地、あるいは江戸小紋、軽い附下などに合わせて頂きますととても素敵ですが、無地感覚の夏結城、あるいは結城縮み、夏大島などのカジュアルなお着物に適わせて頂きましてもよろしいかと思います。 小物を変えるだけ、、感性でお使い頂ければ、と思います。
商品番号 |
TGU-KWK-1800 |
商品名 |
手描き友禅/九名古屋帯 |
品質 |
絹100% |
価格 |
¥577,000(帯地のみ仕立て無し/税込) ¥588,500 (芯仕立て上げ税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約2週間~20日戴いております。 |
巾/ 長さ |
八寸~八寸一分程/ 九尺八寸程※お仕立て上がりの際のサイズ |
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