きもの専門店
そう謳うのは覚悟と精通が問われます
着物に関わり四十年と少し…
まだまだ学ぶことばかり…
きもの、って知れば知るほど知らないことばかりです

その多様さゆえに定義付けることの難しい更紗
古渡にはじまりペルシャ、フランス、イギリス、…
  バティックとして知られるジャワ更紗もありますが、日本の職人の手による和更紗の美は
やはり格別です
―唐草小花文―

暈したり、一層の斑も許さなかったり
澱みの様に堆積した手わざが意図して刷毛を捌く…
かのフィンセント・ウィレム・ファン・ゴッホさえ憬れた
日本の職人の筆捌き

染織作家の手から放たれた作品は
一つの花、一つの蝶、一つの鳥、に
生命が吹き込まれているのです 
添田敏子 ―白ぶどう―

もしかしたら
この小さなキモノ店は
アナタをドキドキさせることが
出来るかも知れません
どうぞ遊びにいらしてください 



牡丹の

ゆるる揺れゐて

影に色


吉弘恭子

あを


爪掻き綴れ袋帯/全通



【西陣織九寸名古屋帯】
―キエフ花唐草―
制作/洛風林



「キエフ花唐草」 聞き慣れない名前かと思います。 キエフ花唐草とは洛風林二代目堀江徹雄氏が染織/美術における研究のため、ウクライナに赴き、首都キエフを訪れた際、染織美術館(※旧キーエボ・ぺチュールスキー修道院)の窓ガラスに描かれていた絵を範として図案を描き上げ、モチーフとして織りあげられたものと聞いております。 描かれていた絵はステンドガラスではなく、窓ガラスに直接描かれていた素朴なもので、可愛らしい華やかさがあります。 こちらの帯はそのおおらかな印象を膨らし織によって表現しています。 大国ロシアに翻弄されてきたウクライナ、修道院に描かれたこの絵は一時の静寂、平和を祈る心情が表れているような気がします。 おおらかにも見える印象は大国の支配から解き放たれたいという心象なのかもしれません。 祈りを感じさせるとても素敵な意匠だと思います。 眺めていると東欧のやわらかな陽が映す影のような美しさに目を奪われます。 浮かび上がるかのように織りあげられた文様はシンプルであるがゆえの模様/文様の美しさに満ち、彫刻としての美しさも満ちているように見えます。 流石に洛風林、西欧、東欧に限ることなく世界の「美」に関する資料を蒐集され、自社の織物に映しこむ美意識、センス、技法は見事なものと言わざるを得ないのです。 実に美しい織物だと思います。   


爪掻き綴れ袋帯/全通


爪掻き綴れ袋帯/全通


爪掻き綴れ袋帯/全通

西陣織特有の「よそゆき感」をしっかりと保ちながら、西陣織に有りがちな「教則的」な感覚とは確実に一線を画しています。 昨今の西陣織の多くは自動織機で織られます。もちろん自動織機のすべてを否定するつもりはありません。 むしろある程度の量以上の生産を見込めば自動織機以外の選択肢はないと言えます。 問題はそこに至るまでのプロセスに有ります。 
多くの西陣織に見られる頽廃的な印象はプロセスに有ると言っても過言ではありません。 現代の西陣織は過去の西陣織を鑑みることが出来るという点において過去の染織を模した制作を選択することも出来ます。 要するに過去の染織を真似る訳です。 ただそこに新たな創造はありません。 伝統を範とした踏襲も大切ですが、常に過去の染織を超える、と言う職人の矜持失くして西陣の進化はあり得ません。 現代、アンテーィクと呼ばれる染織も過去の染織を鑑み、超えているのです。 超えているからこそ現代アンティークと賞されているのです。(超えていなければ単なる古物なのです。) つまり…、現代の西陣の職人の創造が形としてのイメージとなり、「つくる」と言うプロセスを経て範を超え、新たな西陣織の作品となり完成するのです。 そしてその創造こそが、観るひとを魅了し、心に響く感動を与えてくれるのだと思います。


こちらの帯は礼装や略礼装の装いにおいてさえ、装いを愉しむ豊かさをもたらしてくれます。  こうした染織は西陣織の無限なる叡智を想わせてもくれます。 人の芸術に対する想いや創造は止まるところを知らないかのようでもあります。 織物にしても、染物にしても、創り上げられた作品に批評を加えるのはいとも容易いことだと思います。 しかし、工芸や創作にほんの少しでも触れた経験が有れば容易に解かることなのですが、「無」から「有」を生む物理としての作業だけが創作ではないのです。 そこに至るまでには実際の創作以上に永い時間が掛けられているのです。 


爪掻き綴れ袋帯/全通

爪掻き綴れ袋帯/全通

爪掻き綴れ袋帯/全通


最後にあとひとつだけ付け加えさせて戴くならば…。 この織物の最大の魅力の一つは魅力的な色彩に加え、間違いなく、この西陣織の織り感/質感であろうかと思います。 いわゆる量販品の西陣織では見ることのない織味なのです。



【商品情報】

商品番号
TKT-MKM-12157
商品名
西陣織九寸名古屋帯/洛風林 キエフ花唐草
品質
絹100%※金銀糸を除く
価格
¥231,000(表地/税込)
¥242,500(芯仕立上/税込)
※一級和裁士による手縫い。
※お仕立てに要する日数はご注文確定後
約2週間~20日戴いております。
巾/ 長さ
八寸一分程(約31cm)/ 一丈一尺五寸程(約4m40cm程)・※お仕立て上がりの際のサイズ
[お仕立てをご希望のお客さまへ]
カードでお支払いをご希望のお客さまで「お仕立て」をご希望されるお客様は
カード決済のお手続きの際に一旦「反物」の価格にてお手続きをお願いいたします。
後ほど、弊店より「お仕立て」の有無のご確認をさせて頂きます。
ご了承頂きました後に「お仕立て代金込み」の金額に変更させて頂きます。

[現品事前確認をご希望のお客さまへ]
ご注文/ご購入に際して、現品を前もってご覧になられたい方は下記現品事前確認
についてを ご覧くださいませ。詳しい流れのご案内をさせて頂いております。


現品事前確認について

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■お仕立につきましては仕立て料金表はこちら をご参照下さい。
または、お電話・メール・ファクスにてお尋ね下さいませ。

爪掻き綴れ袋帯/全通名古屋帯名古屋帯

西陣織九寸名古屋帯/洛風林 キエフ花唐草

価格: ¥231,000 (税込)
[ポイント還元 2,310ポイント~]
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