【宮古織】
―宮古綿麻織物―
制作/中島三枝子


宮古には宮古上布/宮古苧麻織/宮古麻織物/宮古織があります。　一番高価な宮古上布は先ずは原材料となる苧麻の栽培から始まります。　苧麻から繊維を採り、人の手で績み、一本の糸となり、撚り合わせ（※上布の経糸になる双糸）熟練の織り子の手によって織り上げられます。　驚くのは砧打ちに至るまでの工程のすべてが宮古島で行われているという事で7それは全国的にも非常に稀なことです。　宮古苧麻、麻織物、それぞれに少しづつ糸や絣技法など異なりますが、今回ご紹介させて頂きます「宮古織」はその中でも唯一経糸に綿を用いた織物でここが木綿好きの私の心を魅了するのです。


木綿は丈夫なの事も魅力の一つではありますが、やはりなんといっても一番魅力を感じるのは木綿特有のトロンとしてサラリとする（相反する）稀有な質感でしょうか。　そう、感の良い方はもうお気づきかも知れませんが、上質な綿薩摩と上布の交織のような実に触れ心地の良い質感なのです。　すべて手織りですので織り子さんによってそれぞれ質感が異なるのですが、とりわけ中島さんの質感は、やわらかいのにしっかり感があり、且つ、さらっとしていながらトロリと馴染むのです。　これは着た人であれば肯かれるはず。　ぜひお試しください。

※綿麻の着物について折々に着心地お訊ねを頂きます。　着心地は個人的な主観が大きく左右するので一概にこう、とは言い難いところではありますが、よく言えば綿の良いところ、麻の良いところを併せ持つ、悪く言えばその逆という事も出来ます。　そうした感覚的なことは突き詰めれば突き詰めるほど迷路に嵌ってしまうものです。　麻の持つ、ひんやりとした涼感（実際手で触れても冷たい感覚があります。）綿の持つ丈夫さと馴染み感、を想って頂けましたら良いのではないかと思います。　たとえばからむしの八寸名古屋帯、越後上布、小千谷縮、麻や絽の名古屋帯で装われますと尚一層涼感が感じられると思いますし、型絵染の帯もとても素敵だと思います。　参考に澤田麻衣子さんの型絵染の麻帯を適わせてみました。※こちらはSOLDOUTです。（オーダーをお受けすることは可能です。）