たんぽぽや
憂ひなかりし
日の青空
田中藤穂
水瓶座
【琉球紅型/九寸名古屋帯】
―畦道の春―
制作/阿部遼
※染料/顔料
「冬来たりなば春遠からじ」これを書いている今は一月、一年の内で一番寒い季節(月)です。春を待ち侘びる季節でもあります。 春を想えば桜でしょうか。温暖化で昔より少し開花時期の早くなった桜、春を代表する花の一つです。 桜並木がつくられていたり、川の畔にや堤にも植えられています。人の手によって設えられた、つくられた感が強い桜。 私自身たんぽぽが好きなのはつくられていない感、を感じるからなのかもしれません。 フラワーショップで並べられる薔薇やチューリップとは異なる花、たんぽぽ、人工的につくられているわけではない道端の自然の花に心が揺れる。気が付かぬ間に花はほうけ、白い胞子が風に舞い、風に乗り名もなき道端に、田の畦道に舞い降りる。私の中の春の情景なのです。
そこでこちら、阿部遼さんの作品「畦道の春」です。 型絵染の染色作家/岩井香楠子さんに師事し染色の世界を志した阿部遼さん。図案や型の制作技術を習得し、後に沖縄に移り、紅型の染色作家/金城昌太郎氏に師事、紅型の基礎を学びます。 現在は独立し、紅型工房あしび主宰として活躍され日本工芸展にも出品/入選を重ねています。
阿部遼さん、彼は幼少期より植物や昆虫の観察を好んだそうです。 それゆえでしょうか、着物や帯の図案には植物や昆虫のモチーフが多く見られます。 作品制作は基本、図案作りから染めまでの工程のすべてをご自身でされています。 実は作品を観て興味深いことがあるんですね。 こちらをご覧いただいている方もお感じになられてるかもしれませんが、作品に琉球染織/紅型の特徴的な彩り(匂いといっても良いのかも知れません。)を強く感じないんですね、むしろその表情は型絵染の師である岩井香楠子さんの影響を強く感じるのです。 とりわけ下絵/図案には岩井香楠子さんから習得されたことが色濃く表れてるように思います。
そうした観点で作品を眺めていますと伝統的な紅型というのではなく阿部遼さん固有の紅型であると思います。 城間紅型とも玉那覇紅型とも全く異なる阿部紅型といっても過言ではない作品です。 作品をじっくり眺めていますと彩色もさることながら「型」のもつ美しさが際立っています。 要するに下絵/図案の秀逸さが際立っているのです。 意匠の中で印象的なのはやはり「たんぽぽ/蒲公英」に尽きると思います。 南国琉球の花をモチーフとしていないのです。 穏やかな彩色も然り。 そのため、紅型に見られがちな店頭などで陳列映えはするけれど、実際に装うとなるとどうか…、と言った印象が抑えられています。 こうしたことは実際に着物を着る上では大切なことです。 店頭を飾るものではなく、あくまでも帯として装うことに主眼を置いた彩色。 感性の若い紅型作家ならではの彩色の勘所がその彩色に見える秀逸な作品です。
※こちらは作品には顔料が使われております。色移りをすることもございますので予めご承知おき下さい。使用する帯芯によって単衣/夏以外、通年お使い頂くことも出来ます。
商品番号 |
NAGOYA-SOME-33 |
商品名 |
琉球紅型九寸名古屋帯/畦道の春 |
品質 |
絹100% |
価格 |
¥363,000(帯地のみ仕立て無し/税込) ¥374,500 (芯仕立て上げ税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約2週間~20日戴いております。 |
巾/ 長さ |
お仕立て上がりの際のサイズは帯巾・八寸~八寸一分程。/ 長さは九尺八寸程。多少の変更は出来ますのでお尋ねくださいませ。 |
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