白千鳥
木曽川の渚を
つつつつと
室伏みどり
雨月
【西陣織/九寸名古屋帯】
―千鳥格子―
制作/洛風林
千鳥が連なって飛んでゆく様子に見えることから「千鳥格子」と呼ばれるこちら、そも、千鳥格子はご存知のように比較的細かな柄で、色構成もとりわけ白と黒からなるモノトーンが多い。 それゆえ、素っ気なくも見えることがありますが、オーソドックスな印象を想わせる、とも言えます。 どちらかと言えばトラディショナルなイメージでブリティッシュなテイスト、外国の女性の間でもいわゆる「ハンサムコーデ」として定着しているようです。 つまり千鳥格子が持つクラシカルな佇まいがスーツとしてセットアップした際、知的な雰囲気を押し上げているのだと思います。
そこでこちら、日本の伝統的なFabric「西陣織」としての洛風林/千鳥格子です。 面白いですね。 モノトーンに近いのですが、白/黒ではなく地色には焦げ茶を使い、深いグリーンと光らない燻し銀で構成することで、ブリティッシュテイストをジャパンテイストに、クラシカルな印象がクラシカルモダンな印象に、つまりオーソドックスな印象を残しながら、現代の新しい西陣織の一つの形としているのです。 この辺りは流石に洛風林です。 落ち着いた色使いながら、決して色彩印象の弱い帯ではありません。 むしろ存在感の在る帯です。 とは言え奇を衒う印象は微塵も感じられません。 ご覧頂けますように「品格」を保った「趣」が感じられるのです。 洛風林にしかない特有の表情をしっかりと保ちながら、西陣織に有りがちな「教則的」な感覚とは確実に一線を画しているのです。
いつも申し上げるのですが、既に完成されて久しい千鳥格子の文様を通じて異なる表現を図る力量がなければ、それはやはりただの西陣織でしかありません。 平たく言えばただ単に「千鳥格子」を模した織物でしかないのです。 もちろん、衒いに走った色彩、個性を越えた色彩は見る者の関心を一時惹くかもしれませんが、そこに創意の感じられない浅はかなる試みはすぐに飽きられてしまいます。 不自然で表面的な焼き直しというものは、つまりは長続きしないのです。 それは見る者の目が優れていれば尚の事です。
折にふれ想うのですが、こうした染織を見るにつけ、洛風林の持つ、無限なるかのような意匠の深さに西陣の地で重ねてきた叡智の積層を思わされます。 もっと言えば、洛風林の芸術/美術に対する想いや創造は止まるところを知らないかのようでもあります。 このような織物にしても、染物にしても、創り上げられた作品に批評を加えるのはいとも容易いことだと思います。 しかし、工芸や創作にほんの少しでも触れた経験が有れば容易に解かることなのですが、「無」から「有」を生む物理としての作業だけが創作ではないのです。 そこに至るまでには実際の創作以上に永い時間が掛けられているのです。
つまり…、イマジネーション/創造が形としてのイメージとなり、「つくる」と言うプロセスを経て作品となり完成するのです。 そしてそのイマジネーション/創造/こそが、観る者を魅了し、心に響く感動を与えてくれるのだと思います。
商品番号 |
TNO-OEO-123 |
商品名 |
西陣織九寸名古屋帯/千鳥格子・洛風林 |
品質 |
絹100%※金銀糸箔を除く |
価格 |
¥187,000 (帯地のみ仕立て無し/税込) ¥198,500 (芯仕立て上げ税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約2週間~20日戴いております。 |
巾/ 長さ |
八寸~八寸一分程/ 九尺七寸程※お仕立て上がりの際のサイズ |
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