山の色
すこしく胸に
かかること
西山美枝子
酸漿
【手織り絣紬織物】
別誂え伊那紬/萌春 ―横段絣―
胡粉色(漆喰のような白)の地に千歳緑(ちとせみどり)に染められた絣糸を使い、萌春が織り上げられた手織り真綿紬織物-信州伊那紬です。 ご覧頂けますように単彩で横段が織り上げられています。 表面的には白地に千歳緑の横段がランダムに織り上げられた紬織物として目に映るのかもしれません。 でも、そうした表面を捉えた第一印象はすぐに変わります。 配された千歳緑の横段は信州の山々が春を待つ色、木々の葉という葉が光り出す色、とでも言えば良いのでしょうか。 凍り付く寒さが空を離れ、新緑と言うキャンバスを朝の気配と言う名の精気が満たしてゆく瞬間(とき) そんな色の表情を見せて季節が明けゆく様を想わせます。 使われた色彩は素朴で混ざり気のない純粋な色彩です。 とは言え単調な色目ではありません。 混ざり気の無いと記しましたが、実は様々に濃淡が混ざり合う事で表面的に“混ざり気を感じない”印象として目に見せているのです。 決して衒いを好むことのない、奥ゆかしき信州人のやわらかな気質が見え隠れしています。
こちらの紬織物にやわらかな印象を与えているのはやわらかに配された色彩ばかりではありません。 格子の美しさにも制作者の息吹を感じ取る事が出来ます。 一見すると特別変わったところはありません。 格子とは当然ながら経緯の縞が交差して格子となるのですが、 制作者は格子の始まりと終わりにもちょっとした図りを掛けています。 それは規則的で不規則なずり出し、このずり出しが単調になりがちな格子を表情を保ったやわらかな印象としています。 そして横段とする経緯にも多様な変化を掛けているのです。 そうした様々な図りがこの紬織物に直接目にする美しさと、間接的に感じる美しさをもたらしているのです。 格子が必要以上に強く目に映らない、織物として見た目以上の質感を感じさせてくれるのです。
こうした着物地は実際に着物となって装い頂きますと生地でご覧になる印象とは良い意味で様変わりします。 地機の結城紬や郡上紬などの強い質感を持つ着物と比べてもまったく見劣りしないばかりか、裁ち合わせによってはうんと垢抜けた印象になります。 織りの帯で「ほっこり」とした印象を醸しだしたり、縮緬や紬の染め帯/型絵染めの帯などで都会的で垢抜けた印象を楽しんで頂く事も出来ます。 そうしたときにこの着物の保つ力、つまり紬織物としての質感をあらためて感じて頂けると思います。
奇抜な配色やデザインは決して好まない、とは言えありふれた平凡なものでは満足出来ないと思われている紬織物愛好家の方に是非ともお奨めしたい逸品です。
商品番号 |
TS-OR-162 |
商品名 |
手織り絣紬織物/信州伊那紬 |
品質 |
絹100% ※別注品 |
価格 |
¥396,600(表地のみ仕立て無し/税込) ¥438,600(単衣仕立/居敷当付き/税込) ¥450,600(袷仕立上げ/税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約3週間~25日戴いております。 単衣仕立てはお尋ねください。 |
巾/ 長さ |
39cm程(※約一尺二分程)/※13m程 (※約三丈四尺) |
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