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あを
【本場夏結城紬】 地機(※居座機・いざり機) 矢鱈刷毛目 灰桜色無地織
制作/野村半平 経糸:真綿手紡ぎ撚糸(絹)100% ※縮みより緩い撚り
緯糸:真綿手紡ぎ撚糸(絹)50% ※縮みより緩い練り 緯糸:(麻)50%
(※本場夏結城の生産反数は年間十点程)
「いざり機」によって織り上げられた「本場夏結城紬/地機・矢鱈刷毛目/灰桜色無地織」です。 極上の着心地と賞される本場夏結城、いわゆる平織りの結城紬とも、縮み織の結城紬とも違う夏結城は現在或る一人の手によってのみ織られています。 野村半平氏についてはこうした染織に関心をお持ちの方でしたらご存知の方も多いと思われますし、各所でご紹介されておりますので氏につきましての解説は割愛させて頂きます。
こちらに掲載の本場夏結城、経(タテ)糸に1mあたり1000回転前後の撚りを加えた手紡ぎの糸(重要無形文化財の結城百二十細工相当の糸)、緯(ヨコ)糸の50%に経糸と同じ撚りの手紡ぎ糸(重要無形文化財の結城百二十細工相当の糸)を、残りの50%に麻糸を用いて織られています。(※麻が使われることにより本場結城紬の証紙はつきませんが重文糸と同等の糸が使われています。) 初期に制作された夏結城は手積み(てうみ)の苧麻が使われていましたが、手積みの苧麻の確保やコストを考慮し、現在ではラミーが使われています。
本場夏結城は1930年台初頭、野村半平氏(初代)によってつくられたのが始まりと聞いております。 広義で申し上げれば、本場夏結城は本場結城紬とは一定の距離を置いた織物ですが、制作に要する素材、あるいは技術は本場結城紬以上とも言われます。 夏結城はお単衣仕立てにしてお召し頂く織物です。 本場結城紬には他に結城縮がありますが、結城縮がお単衣/袷、どちらもお好みでお仕立てを選ばれますが、この夏結城はお単衣仕立てでお召し頂きます。 昨今ですと、5月GW明けから9月いっぱいお召し頂けます。
経糸に手紡ぎ真綿糸(結城縮に使用される撚糸の真綿糸)を、緯糸に麻糸織り込むことで平織の結城紬にはないさらりとした質感を感じさせます。つまり、緯糸に麻糸をいれることで清涼感を表現した結城紬なのです。
ご覧頂いております本場夏結城紬は、国産の糸に拘り、色に拘り、織機に拘って野村半平氏の手によって誂えら織られたものとなります。 地色は何とも絶妙な灰桜色です。 刷毛目のように配された灰色印象の糸が桜色を落ち着かせています。 お色目はあくまでもニュアンスの問題なので難しいのですが、ここでは平易に「灰桜」としておきます。 地機特有の空気感を想わせながら、撚り糸のサラリ感、麻糸のヒンヤリ感、手でそっと触れてみたくなる織物…、 極めて美しく丁寧な細工、完成された織物としての凄みも想わせる、そうした諸々の美しさが凝縮された一点です。
こちらは、弌の始めから終わりまで徹底的に「糸質」に拘り、「撚り」に拘り、「居座機」に拘りました。 それは本場夏結城紬を手掛けてきた野村半平氏の誇りであるのかもしれません。 ※麻の型絵染、 無双の名古屋帯、 上品羅(北村武資) を適わせてみました。
商品番号 |
TS-OR-1188 |
商品名 |
本場夏結城紬/地機(いざり機)・矢鱈刷毛目/灰桜色 |
品質 |
経糸/絹100% ・緯糸/絹50%・麻50% |
価格 |
¥777,000(表地のみ仕立て無し/税込) ¥819,000(単衣仕立/居敷当付き/税込) ※一級和裁士による手縫い。 ※お仕立てに要する日数はご注文確定後 約3週間~25日戴いております。 【※単衣仕立てをご希望の際はお尋ねください。】 |
巾/ 長さ |
一尺二分※約38.5cm程/ 三丈四尺※13m程 ※裄/一尺九寸程取れます。 (多少の誤差はご容赦下さい。) |
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